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書き捨て

遙かなる時空の中で:マンガファーストシリーズ感想

内容を含みます。特にラストを。ファーストシリーズなんてタイトルにないけど、他と区別するために書きました。

 

なんとなくタイトルは知っていて、読んだことがなかった。結構有名だったよな。たぶん。

水野十子 遙かなる時空の中で

平安時代に飛ばされた女子高生あかねが龍神の神子として活躍するファンタジー

 

恋愛アドベンチャーゲームのメディアミックスとしてのコミック版。

知らなかった。ただ漫画だと思ってた。

検索するとゲームがいっぱい出てくる。私の中では漫画の方が有名だ。

 

恋愛アドベンチャーゲームという事は何人も男がいて、それぞれの相手とのエンディングがあるやつ。漫画をパラパラ試し読みしたら確かにそんな感じがする。

はじめ見たときは凄い違和感があり、ネットで調べてしまった。ゲームだと知って納得した。

 

このタイプのはヒロインの相手が自分の思った相手ではなかったら壁に本を投げつけたくなるくらいムシャクシャして読んだことを後悔するはずだ。それは怖い。

 

最近ハズレファンタジーを沢山読んだ事もあり、失敗を回避するため誰が相手なのか調べてから集めることにした。

最終巻の表紙を見ればこういうのは大体わかるはず・・・あ、あっさりわかった。

 

八葉と言って、ヒロインを守る男が8人。8人もいればこれは思い通りは無理かも。けどこの中では一番いいというよりこの人じゃないと無理だと思った男がヒロインの相手みたいなので集める事にした。この時点で他の相手との話だったら買うのやめた。よかった。

 

はじめは絵がちょっと下手で、ストーリーの導入も分かりにくい。ゲームを先にやってたらわかるんだろうなと言った様子。しかも2巻でそれぞれの短編集でますます読むのが面倒に。こういうのはある程度ストーリーが進んでからがいいよ。

 

3巻からストーリーが進みはじめた。内容は龍神の神子としてそれを守る八葉という8人の男を探したり、4つの札を探したりたまに鬼と戦ったり。

 

ヒロインははじめ印象が薄くてピンと来ない。けど巻を追うごとに成長して感情も出てきて魅力的になっていく。どんどんあかねが好きになりました。

 

しかし恋愛面のストーリー展開は遅い。それが読みたいのに八葉ひとりひとりの背景や問題に長くページが使われる。多いな。恋愛ゲームっぽさが出てます。私はゲームはしてないからピンと来ません。ひたすら長いがなと思った。

ひとり一巻ずつくらい。友雅は短いかな?

 

主人公あかねが恋に落ちるのはなんと最終巻。全17巻で最終巻。少女マンガなのに!

ずっとそこが見たいのに10巻くらいで辛くなってきた。ストーリー自体が面白いので読むけど。絵がどんどん上手に綺麗になるし。

 

恋愛アドベンチャーゲームらしく八葉全員があかねを好きになる。よくあるようないらないような。最終的に誰かとくっつくならそこを丁寧に描いても良いような。

 

八葉のあかねを好きになる様子は長ーく丁寧に描かれている。もし他のキャラクターが好きだったら最後で崖に蹴り落とされる気分になりそう。

遥かのラストが嫌いな人のほとんどはそうみたいだし。

 

いつ、いつなのだと読み続けて16巻でやっと兆しが見えてくる。

おいおいもう終わっちまうだろ!

なんせあかねが恋愛を意識しはじめるのは12巻で寝ぼけた頼久にキスされた所から。それまでは全くなし。

それで頼久を意識して好きになる訳でも全くなく、1巻で告白した天真に今更応えようとしたりする。天真を好きだからではないのを見抜かれて断られるけど。

 

頼久はそこから少しずつあかねを意識する伏線がある。よく読めばだけど。

 

早くしろよと思うけど進まない。肝心のあかねは鬼の相手と記憶を失った八葉などストーリー展開に忙しい。

 

しかしそれが一気に動くのが15巻。八葉が記憶と力を失ったのであかねはひとりで洞窟の鬼の所へ向かう。頼久はあかねの護衛なのでついていく。

そこからあかねと頼久が2人になる。今まで他の八葉と同じ程度の扱いだった頼久が急に出番が多くなる。

 

それで頼久の心の強さと、力に頼る鬼の心の弱さなどの対比から頼久に一気に惹かれていく。

あかねは龍神の力を持っているけど使わない。力に頼ることは心が弱いことと言われた鬼。激おこ。

少年マンガだと力が全て。勝ったものが正義。負けたら俺が悪かったと改心する。あかねが力に頼る事は心が弱いという事と貫く姿は少女マンガのファンタジーとしてとても対照的で良い。

あかねが力を使うのは仲間と人々を守るためだけ。

少年マンガは殺らなきゃ殺られる。からまた展開が違うし。

 

頼久の心の強さを感じてあかねも強くなる。以前惹かれていた鬼の弱さを見てもあかねは同情はしてもなびかない。あかねの成長が感じられる場面です。

 

このあかねの気持ちの変化が唐突に見えて丁寧によく描かれている。

後から読み返せば。1回目は急にあかね頼久好きになったな!と思った。けどその過程は最後の2巻でよく描かれている。恋愛面は最終巻だけだけど。

けどもっと前からやって欲しかったな。

少しずつあかねが頼久に惹かれるようなのを。最後の2巻まではあかねは頼久には全く意識なし。10巻くらいはかけて欲しかった。

ただ、頼久の言葉は他の八葉のそれよりあかねには響くようでそこが相性なのか、もしかして伏線なのか?

他の八葉との違いはそこかな。

 

やっとか、やっとあかねが頼久の事を好きになってくれた。そう思ったらすぐ終わってしまった。恋愛ゲームだから他のキャラが好きなファンもいる。だからそこの場面を短くして配慮したのだろう。たぶん。

作者のコメントで恋愛は避けられない。けどあかねが誰かを好きになったらすぐにエンディングにした方がよいかもと。恋愛ゲームならではの配慮と現象なのでしょう。

他のキャラのファンはガッカリでしょうし、頼久のファンも描写が短くてガッカリで唐突に見える。

頼久があかねに惹かれる所は他のキャラに比べてわかりにくい。よく見ればこれ伏線なのか?という程度。性格的な事も理由だけど。最後まで神子と八葉だからと想いは隠すし。

あかねはもっと酷い。洞窟で2人で歩いても恋愛的にドキドキした場面もなく雷に打たれた頼久を急に好きな事に気づいた、みたいな程度。

 

 

結構良いラストでまとまっていていいんだけど物足りない。

 

頼久とくっつくところを見たかったので12巻、16、17巻だけ読んでいたいです。他のはあまり読み返していない。

 

あと絵が物凄く上達して綺麗になってきます。奇跡を見ているようです。最後の2巻なんてもう絵だけで魅力十分。ストーリーも良かったので読んで本当に良かったです。

 

そう悶々としていたら遙かのラストの前の特別編があるらしくて、探しました。

続く。